このところ、キーパーソンが外国にいる方や、身寄りのない方などが、相次いで体調が悪化してしまい、家族が対応すべきことを、私が動く結果となったため、5月はかなりハードな1か月となりました。
おかげで、土日は疲れ果てて、仕事の追い上げができませんでした。
6月こそは、事務仕事の遅れを少しでも巻き上げたいものです。
私が最近担当することになったご利用者様(Aさん)は、身寄りのない女性です。
急激に具合が悪くなり、動けなくなって、あともう少し遅かったら死んでいただろうという状態で、近所の人に助けられました。
しかし、近所の人は誰に相談したらいいかわからず、ヘルパーをしていたと聴いたことがある、やはり近隣に住む女性(Bさん)に相談に行きました。
Bさんは、介護保険の申請手続きから、病院の対応、取り急ぎの自費ベッドの手配、ゴミ屋敷と化した自宅の片づけなど、無償の善意ですべてしました。
顔しか知らなかったAさんの為に。
そして、色々な経緯を経て、私がAさんの担当ケアマネージャーとなりました。
Bさんは、ヘルパー会社でサービス提供責任者をしていただけあり、とてもテキパキして、『今Aさんに何の支援が必要か』もしっかり把握していて、初めは私はBさんの意見に乗っかる形で、計画書を作成して支援のスタートをしました。
なぜなら、Bさんが必要と考えている支援内容が、私と同じことだったので、当然異論がなかったからです。
Aさんは『Bさんが神様のように見える』と、いっていました。
『Aさんがいなければ、私は死んでいた』と。
事実、本当に死んでいたと思います。
サービスもスタートして、Aさんも薬の効果が出てきたのか、最初に会った時よりも、随分状態が良くなってきました。
具合が悪くて動けないことのほうが多かったのに、自分で出かけることもできるようになりました。
すると、Bさんに対すAさんの態度が変わってきました。
はっきりいって、Aさんは、Bさんが『うっとうしく』なってきたのです。
Aさんの中でBさんが『ただのうるさいひと』に変わってしまったのです。
Bさんがはっきりとものを言う人だから、自分の痛いところや苦言を言われることが不愉快になってきたのでしょう。
AさんはBさんを避けるようになり、私に「これはBさんには言わないでほしい」と、いうことが増えてきました。
Bさんに対する否定的な言葉も出てきました。
2か月ほど前までは、BさんがいないとAさんは、『生きていけない』状態でした。
それをBさんは、無償で善意で毎日、Aさんのことで数か月一生懸命に動いてくれていたのです。
それを、自分が動けるようなったとたんに、手のひらを返すような行動をはじめたのです。
たぶん、Bさんは、今までAさんの為してきた事にたいして、恩着せがましいことを言う人ではないでしょう。
介護業界で働く者として、状況を知っていて、そのままにしておくことができなったのでしょう。
介護専門職として、当たり前の、でも、簡単には出来なことを、Bさんは、当然のことのようにやってきたのです。
でも、最近はあからさまに、Aさんからは、Bさんを嫌悪する言動が見えてきました。
私は、Aさんの担当ケアマネージャーです。
だから、Aさんの意向を汲んだ支援をするのが仕事です。
しかし、かたつむり個人としては、AさんのBさんに対する態度が許せませんでした。
『Bさんは、アンタの命の恩人だろう!恩を仇で返す事をするのか!アンタは人として最低だ!』
そう、何度も怒鳴りそうになりました。
とりあえず、今は、抑えていますが、Aさんの『人として許せない言動』に、いつか、この言葉が口から出る可能性はあるとおもいます。
先日の定期訪問で、Aさんは私に不愉快そうに言いました。
「あなたは、私の担当のケアマネージャーでしょう?私が困ってることは何かわかっているはず。それなのに、なんで今日来るときに調べて持ってこないの?」
具体的な相談事は、Aさんからは、何ひとつとして聞いてません。
それで、自分の思うように動けと言うのです。
お金に困っていることはわかっていました。
しかし、Aさんは『働いていた時に税金滞納』をしているので、助成制度は使えません。
病気などで仕事が出来ずに滞納したということであれば、色々な手はあります。
しかし、元気に働いているときの滞納です。
義務を怠っている人間には、権利を使う資格はありません。
AさんはBさんに最初に言われています。
『滞納分を払わなければ、助成はうけられない』と。
利用者が何に困っているのかは、訊かなくても把握するのがケアマネージャーです。
だから、ある程度は、困っていることは何かは、私もわかっています。
しかし、Aさんが払う能力があったにも関わらず、税金滞納した以上、ケアマネージャーとして手が打てないのです。
はっきり言って、Aさんの自業自得なのです。
税金を納めずに、色々な助成制度だけは使わせろとは、虫がいい話です。
ですから、私は、Aさんに、こう答えました。
「私は、Aさんから、『こういうことに困っている』とか、『こういうことで何かあるか調べてほしい』とか、貴方から『相談を受けた』ことは一度もありません。
その状態で、ここで、貴方が求めるものを提示できないことをたいして、御立腹されても、はっきり言って困ります。
貴方が何を求めているのか、言っていただけなければ、私にはわかりません。
福祉関連の制度は、とても情報量が多く、全てを頭の中に収めることは、少なくとも私には不可能です。
ですから、私は、即答できなことが多いので、ご相談を受けた場合に即答ができないときは『調べてお返事します』というかたちで、他のご利用者様とはやっています。
今までの色々な流れで、今は私がAさんの担当ケアマネージャーになっていますが、ケアマネージャーを選ぶ権利はAさん、貴方にあります。
その場での質問に常に即答できる能力は、今の私にはありません。
すべての質問に即答できるケアマネージャーがいいというのであれば、私ではなく、どうぞ、そういうケママネージャーさんをご指名してください。
貴方に、ケアマネージャーを選ぶ権利がありますので。
それと、税金滞納している以上、ペナルティはあります。
ですから、様々な支援制度はありますが、税金滞納があるので、使えないもののほうが多いでしょう。」
そう言いました。
はっきり言って、きつい言葉です。
でも、人は、『国民の義務を果たした』うえで、『国民の権利を主張』することができるのです。
そして、世の中はAさん中心には、まわっていないのです。
さらには、ケアマネージャーは『御用聞き』ではありません。
専門職として、『その考えは間違っている』と言うことも、責務のひとつです。
少なくとも、わたしは『言いなりケアマネ』ではありません。
『人の道として』間違っていることは、遠慮なくはっきりと言わせていただきます。
『それは、間違っている』と、はっきり言います。
たとえ、担当を降ろされようとも。
Aさんは、私の言葉に慌てました。
「かたつむりさんが、嫌だとか、不満だとか、そういうことではないのよ!」
と、必死に否定してきました。
私は、『困ったこととか、知りたいことは事前に教えて頂けますか、即答できなければ、調べてお返事しますので』と、Aさんに伝えました、笑顔で。
しかし、その一方で、そんなAさんを冷めた眼でみている、『かたつむり個人』がいました。
Aさんが、なぜ、兄弟と『絶縁状態』になっていることが、このことでよくわかりました。
これでは、兄弟は、Aさんとは、かかわろうとはしないだろうと思います。
担当ケアマネージャーとして善処はします。
しかし、かたつむり個人としては、Aさんは『許せない』分類の人間です。
『ケアマネージャーとしての立場』と『かたつむり個人の価値観』のはざまで、どうやって仕事をしていくべきか。
『個人の価値観』と『専門職としての価値観』の大きな隔たりの中で、どう自分をコントロールして、クライアントの支援をしていくのか、という、専門職として、大切な、そして難しい『課題』と、初めて向き合うことになったようです。
拍手やコメントをくださったかた、
ありがとうございました。
なかなか、コメントのお礼のお返事を書くことができなくて、申し訳ありません。
どうか、ご了承くださいますようお願いいたします。
(本当に、本当に、ずっと書けずにごめんなさいっ)
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