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ただ今、人生の仕切り直し中のケアマネ
プロフィール
HN:
かたつむり
性別:
女性
自己紹介:
心と身体を壊し、まだ人生の仕切り直し中のケアマネ。

保有資格:社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員。ついでに日商簿記2級・全商簿記1級
(Twitter@renrinoeda2)
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急いては事を仕損じる(長いです)

先週はずっと体調が悪くて
ごまかしながら仕事をしていました。


体調が落ち着くと、
すぐにフル稼働してしまう癖があるので、
少し良くなっては、また体調を崩してしまうのです。
わかっていても直せないので、困ったものです。


それでも、多少でも『無理がきく身体』に
なったことがうれしい部分もあります。

長年、うつ病を患い、
思うように動けなかった時期も多く、
ケアマネの仕事に就くことも
諦めていた時期もあったので
フル稼働でやりたかった仕事が出来ることが
とても幸せなんです。



話が変わりますが、私の担当ケースは、
困難ケースになりかねない方が多くいます。
色々と提案をしてはみますが、
ご本人やご家族がその必要性を感じていなかったり
金銭的な理由で利用できなかったりで、なかなか手を打てません。

そのときは、私は
いったん提案を引くことにしています。
無理に押しても、無駄だからです。


じゃあ、どうするか?

チャンスを待ちます。

提案をするきっかけが出来るのを待つのです。


これは、結構、
ご利用者様やご家族が追い詰められる寸前のことがあるので、
私が自分の動きや判断を間違えたら、大変なのですが、
私の担当ケースは、
わかってもらえる機会を待つしかないことのほうが多いのです。
 
 

あるご夫婦で、ご主人が私の担当のご利用者様で、
奥様が一人で介護をしています。
金銭的理由であまりサービスを使えません。

でも、奥様は心身共に限界に来ています。
それをご主人が理解していないのです。
ちなみに、ご主人は認知症はありません。

ご主人は、疾患を多く持っていて、
身体はだるいようで、すぐに横になってしまいます。
脚力もかなり低下しており、
室内でシルバーカーを使っても一人で歩けず
いつも奥様が介助してます。
でも、奥様は疲労困憊で介護をしているということが
ご主人は理解されていないのです。


だから、2年以上受診以外で外に出たことがなく、
デイサービスにも行こうとしないし、
集団行動が苦手なのでショートステイももってのほか、
家でも2時間以上は起きていられないという状態で
私が、他事業所から引き継ぎました。


「これは、急いで何とかしないといけない」
とは思ったのですが、
いかんせん、ご主人が、現状を全く分かっていないのです。
『まだ女房は大丈夫』と、思っているのと
自由にならない病気だらけの自分の身体に対して
投げやりになっているところもあるのだろうと思います。


担当になって、
ご夫妻にある程度受け入れてもらってから、
私はある行動にでました。


「ご主人、外に出ずに、
 家で横になっている生活をしていると、
 本当に歩けなくなりますよ。
 歩けなくなったら、
 奥様が自宅で介護するのは不可能です。
 そうしたら、自宅での生活ができなくなりますよ。
 それでいいんですか?」

はい、ご主人を脅しました(^^;

ご主人は自宅で暮らしていきたいのです。

『施設なんてもってのほか!』なんです。


正攻法では無理な方なので、邪道な方法でいきました。
ご夫妻の生活を守るのに
『正攻法』にこだわっていたら先に進みません。
はい、手段は選びません!

更に、私は脅します。

「冗談ではなく、本当に自宅での生活ができなくなります。
 奥様だって病気を抱えて、
 おひとりでご主人の介護をしてるんです。
 いつ奥様が倒れてもおかしくないんですよ。
 これ以上奥様に負担をかけたら大変ですよ。」

ご主人、黙ったままです。

そして、やっと言いたかった『本題』を切り出します。

「だから、週に1回でもいいから、
 まずは、デイサービスに行きましょう!
 外に出る機会を作って、
 体力や歩く力がこれ以上落ちない努力をしましょう!!
 一日過ごすのは無理でしょうから
 半日のリハビリ型でご主人の負担にならない
 デイサービスを探してきますから!!!」

と、説得しました。

ちなみに、ウチの管理者(=社長)は、説得は嫌いだそうです。

確かに、いくつか提案して、その中から
ご利用者様やご家族が選択するのが一番いいのでしょう。
でも、そんなことを言っていたら、状況は悪化するばかりです。
きれい事ばかり言っていても、
ご利用者様とご家族のことを守れません。

奥様もずっとご主人には、
デイサービスに行ってほしいと希望されていたのですが、
半日型のデイサービスのことを知らなかったようで、
『それはいいわ!』と、かなり乗り気になりました。


ご主人から
「わかった、行ってみるよ」
と、了解をもらいました。


ご主人の身体に負担にならないような
デイサービスを1件だけでしたが見つけて、
見学にも立ち合いました。
 
そして、ようやくご主人が、
デイサービスに通うようになってくれました。




しかし、安堵したのもつかの間で
奥様が体調を崩しました。
熱が下がらない状態がひと月続き、
今も調子が戻らないそうで
そんな中でもご主人の介護をしてます。


「ここで、また押すぞ!!」と思い、
また、ご主人を脅しました。


「ご主人、奥様は限界なんです。
 24時間365日ご主人の介護をして、
 自分の身体を休ませる時間がないんですよ。
 私どもケママネや介護職員は『仕事』ですから
 大変と言われていても、勤務時間が終われば
 一応解放されるんです。
 でも、介護している家族は『解放』されることはないんです。
 ず~~~~っと、こんな生活を続けていたら
 奥様『壊れます』よ!!
 そうしたら、ご主人、自宅で生活できなくなりますよ。」

ご主人、無言です。
ですが、何かを考えているようでした。

奥様は最近、特養入所の手続きを本気で考えています。
なぜなら「自分が、あとどれだけ介護できるがわからない」からです。
奥様は限界を感じているんです。


ここで、ご主人に提案します。

「奥様が、倒れないようにするためにも、
 ご主人が、いつまでも自宅で生活を続けるためにも、
 ひと月に3~4日位、奥様が何もせずに
 『ぼ~~っと過ごせる時間』をつくって差し上げてほしいんです。
 奥様が『休める時間』をつくって差し上げてほしいんです。
 そのためにも、ショートステイを利用してほしんです。
 1週間とは言いません、3~4日でもいいんです。
 考えてみていただけませんか?お願いします!!m(__)m」

ご主人「わかった」。


そして、ご主人に『お願い』をしました。


「ご主人、どうか奥様を守って差し上げてください!!」


疲労困憊で倒れる寸前の『今の奥様』を守れるのは、
ケアマネでも、サービス事業所でないのです。
『ご主人』だけなのです。


そのことに、ご主人に気づいてほしいと願っています。


この方法が、良いのか悪いのか
私にはわかりませんが、私の担当させていただいている方は、
この方法で行くしかない方々が多いのです。
だから、焦らずに必要性をご理解いただける『チャンス』を待ち、
わずかな『シグナル』を見逃さないようにしています。


支援や介護は、教科書通りにはいきません。
私は、きれいごとを並べるのではなく、
『泥臭く』『現実的』な仕事をしていきたいと思います。

 
 
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