高校生の時、今の職場のある地域の社協が行っていた
『学生夏季体験ボランティア』に悪友と申し込みました。
悪友と私が希望して行ったのは、
当時社協が運営していた、老人福祉センターでした。
そこで、お兄さん的な存在の相談員さんと出会いました。
お兄さんから色々なことを教えてもらい、
また、居心地がすごく良かったので、
ボランティアの期間が終わった後も、
なんだかんだと理由をつけて、施設に入り浸っていました。
私と悪友が現れるたびに、お兄さんに
「なんだよ、お前たちは!」
と、よく言われながらも、
いつもお兄さんは、私たちの相手をしてくれました。
今、思えば忙しかったはずなのに、
嫌な顔をせずに私たちの話を聴いてくれました。
お兄さんに見守ってもらいながら、
おじいちゃまやおばあちゃま達と
おしゃべりしたり、卓球もしたり
ゲートボールも教えてもらいました。
今思えば、とても貴重な体験をさせてもらったと思っています。
そのころから、私は福祉関係の仕事したいと思っていたので
お兄さんに何度も相談に乗ってもらっていました。
その時に、お兄さんは
「福祉業界で働いている人は『福祉バカ』なんだよ」
と、よく言ってました。
その意味を訊くと、
「福祉のことしか知らないから視野がせまいんだよ」
と言うことでした。
当時はその言葉の意味がよく分かりませんでした。
今、その言葉を身に染みて感じています。
「あ~、お兄さんが言っていたのはこのことかっ!!」
と、思うことばかりです。
高校卒業し働き始めても、しばらくは入り浸っていたのですが、
忙しくなってしまい、施設に足が遠のいてしまいました。
お兄さんに恩義に感じながらも、
会いに行く機会をつくることができないまま、
年月だけが過ぎました。
そして、昨年、お兄さんがいる町で、
ケアマネージャーとして
働くことになりました。
社協の事務所があるのは、職場のすぐそばでした。
すっと勢いがつけられないままでしたが、
昨日、思い切って社協に電話をしました。
お兄さんは、今も在籍していて、電話に出てくれました。
私のことも覚えていてくれていました。
うれしくて、その日のうちに、
お兄さんに会いに社協へ行きました。
25年ぶりに会ったのに、お兄さんは、
昔と変わらない笑顔で私を迎えてくれました。
結果的に不義理をしていた私に対して、
昔と同じ穏やかな声と笑顔で話しかけてくれました。
私が働きながら通信制の大学を卒業したこと、
社会福祉士と介護福祉士とケアマネを取ったことも
「よく頑張ったな」とほめてくれました。
ケアマネとして働いている私を
「お前も、福祉の仕事に就いたんだな」
昔と同じ優しい笑顔で、なんだか少しうれしそうな感じて
言ってくれました。
お兄さんと話していて、
『ようやく帰ってこれた』という
不思議な感覚を持ちました。
そう思った理由は、今もわからないのですが、
『会えた』ではなく『帰ってきた』なのです。
今思えば、
福祉専門職として、『一番大切』なことは、
高校生の時に、施設にいりびたりながら
お兄さんとの会話の中で
無意識の中でも学んでいたのかもしれません。
ケアマネになってから、そんなことを感じていました。
『お兄さんと、同じ町で、一緒に仕事が出来る』
それが、涙が出るくらい、うれしいのです。
組織の価値観にとらわれず、自分の持論を持ち、
広い視野で冷静に客観的に判断して行動することができる。
そんなお兄さんから、またいろんなことを学びたいと思います。
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