父への余命の告知。
末期癌で余命宣告をうけた家族はどうしたら良いか、難しい問題だと思います。
母が主治医から『あと、2~3か月です』と言われた夜に、私は姉から電話で知らされました。
姉は、伝えるべきかどうか判断できず、私に訊いてきました、『どうしたらいいんだ?』と。
私は、姉に迷わずに言いました。
『伝えるべきだし、伝えなければいけない』と。
先日、ブログで書いたとおり、私は、『告知』については、前もって父に意思確認をしていました。
肺の白い影が、がんの再発がどうか調べる検査のを受けているときに。
つまり、余命の事がまだ現実味でない段階のときにです。
「お父さんは、もし癌だったら、どこまで知りたい」?
との私の問いに、父は、即答でいいました。
「全てを知りたい。余命宣告も含めて全てを知りたい、俺の人生だから、自分の事は自分で決めたい」と。
父は、実は59歳の時に胃がんにもなっています。
本当に初期だったので、手術も短時間で済みました。
そのときの主治医が出筆した本に、『本人への告知の重要性』が書いてありました。
本人が本当の病状を知らないと、医師も治療に支障が出る場合があること、つまり、本人が事実を知らないと、医師も曖昧な言葉で説明をしなければならず、医師にも余計な負担がかかるのです。
また、家族が本人に本当の事を隠していても、なんとなく本人は気がつくらしく、そこで本人と家族の間に溝が出来てしまうのです。
そのことは、残された大切な時間を家族と大切に過ごすことができなくなってしまうのです。
もちろん、『告知』に耐え切れない方もいます。
ですから、全ての人に告知をするべきということではないと私も思っています。
ただ、本人が事実を知っているの知らないのとでは、その後の本人と家族の過ごし方が大きくく変わってしまいます。
そして、私の父は、『自分の事は自分で決める』ひとです。
ケアマネをやっている娘の提案でも、自分が納得しなければ強く拒否します。
今も在宅酸素チューブを伸ばすかどうかで、すったもんだをやってます。
私のいうことを聴いてくれません。
その本を、父も私も読んでいましたので、父も『本人への告知』の重要性を解っていました。
また、父の性格上、家族が勝手に決めてしまうことは、絶対に許さないひとです。
こういった『父の性格や考え方』から、私は、父への余命の告知を即決しました。
母が主治医より余命宣告を受けた翌日に、私は朝一番に主治医の病院へ連絡を取りました。
折り返し主治医から電話を頂き、父の余命の告知について私の考えを伝えました。
父に意思確認はすでに私自身がしてあること、そして、父の性格や考え方など、上記の事もふくめて先生に伝えたうえで、先生に言いました。
『父に余命を伝えたい』と。
父も、やり残していることもあるはず。それをさせてやりたい。
父は、一家の大黒柱として、自分が意志決定をして、家を家族を支えて生きてきた。
だからこそ、父に残された時間を伝えて、最期まで父の意志を尊重したい・・と。
しかし、家族からこのことを伝えると父は、『なんでお前達(家族)が先に知っているんだ!!』と、疑心暗鬼になりかねないこと、家族の言い方を間違えると、今後の先生の父への診察等がやりづらくなってしまう可能性もあることを、先生に伝えた上で、先生にお願いしました。
『先生がこれからも父の診療をしやすい言葉でいいので、どうか、先生から父に余命を伝えてほしいのです。もしかしたら家族がするべきなのかもしれませんが、父の性格から、家族が言うよりも、先生からの聴いた方が受け入れられると思います。ですので、先生から父に伝えて頂けないでしょうか、どうかお願いします。』と、先生に父への余命の告知をお願いしました。
先生には、このことは、姉と私で話し合って決めたこと。そして、翌日の往診時は姉が立ち会うこと。また、万が一、父が動揺したら、姉が対応すること、姉だけでは無理な場合は、私は仕事が終わったら駆けつける(その日の夕方の訪問はどうしても変更ができないため)事になっている、と、姉と私で動揺した父の対応はする覚悟をしていることも伝えました。
先生は、『では、明日往診にいったら、いつもの診察の後に話しましょう』と引き受けて下さいました。
そして、翌日の往診の時に先生は父に伝えて下さいました。
『もしかしたら、春までもたないかもしれないよ』と。
その場に立ち会った姉の話では、父は全く動揺をみせず、先生に『これからもエンシュアをだしてほしい』と、すぐに父自身が先生に依頼したそうです。
この言葉は、父が『一日でも長く生きてやる!』と、決めた何よりの証しだと思います。
先生が帰った後に、姉が父に言ったそうです。
『お父さん、今の体調を一日でも長く保つためにも、看護師さんに来てもらおう。その為に、ケアマネージャーを頼もう』と。
父は即答で『そうする。』と、言ったそうです。
この父への説得の言葉も、私が姉に伝えておきました。
プラス思考になる言葉で、必要性を説明すれば、お父さんは了解するはずだと。
姉は、私の提案通りに父に話してくれました。
姉からの報告を受けて、私は、すでに打診して了解を得ていたケアマネージャーさんに、いつも仕事でお力添えをいただいている福祉用具の方を通して正式に依頼しました。
明日、暫定プランでのサービス担当者会議を行なうことになってます。
日に日に悪化し弱っていく父には、無駄に使う時間はもうありません。
すでに、トイレは夜間はポータブルトイレを使っています。
支援の体制を整えるのも時間との勝負です。
ケアマネさんも、2月の初めには、サービス担当者会議を開きたいとおっしゃってくださり動いていただいて、本当に明日の開催となりました。
父への身体介護をするようになるのも時間の問題でしょう。
でも、一番難しい、父への『余命の告知』を、どうにか乗り越えることが出来たので、少し安堵しています。
後は、頑張り続けている父を家族で支えていくだけです。
一日でも長く、自宅で過ごせるように。
今日は有給休暇で明日は土曜日の振り替え出勤にして、仕事を休みました。
父のサービス担当者会議や在宅酸素の業者とのやりとりがあり、また、父の事で私自身の病院受診が全く出来ていなかったので自分の受診に行って来ます。
私の体調は正直、この一月で更に悪化しています。
でも、時間のない父と過ごすために、寝込んでいる時間がありません。
私自身の身体と相談しながら、出来る限りのことをしたいと思います。
拍手やコメントをくださったかた、ありがとうございました。
なかなか、コメントのお礼のお返事を書くことができなくて、申し訳ありません。
どうか、ご了承くださいますようお願いいたします。
(本当に、本当に、ずっと書けずにごめんなさいっ)
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